2008年9月6日土曜日

伊藤忠 TV通販番組を新設 住友、三井の2強追撃

伊藤忠商事は、資本・業務提携しているテレビ通販中堅のプライム(名古屋市中区)と共同で、伊藤忠が調達する衣料・雑貨製品などを販売する専門テレビ番組を新設するなどテレビ通販事業の拡大に乗り出す。

 両社は8月末に一部の地上波放送で伊藤忠の調達ルートによる繊維衣料・雑貨類を販売する専門テレビ番組「トレンドコレツォーネ」を新設し、試験放送を始 めた。10月以降、首都圏や関西の地上波、BSの各放送網に新設番組の本格的な放送を始める方針だ。今後は、伊藤忠が「コンバース」「FILA」など約 150の国内販売権を持つ欧米ブランドを販売する専門番組も新たに立ち上げる計画も持っているという。

 伊藤忠は、国内の消費市場でまだ成長途上にあるとみられるテレビ通販事業に本格参画することで川下(小売り)部分を拡大し、繊維事業のバリューチェーン(価値ある事業網)を強化することで業績面の向上が見込める。

 プライムは主に美容・健康商品を取り扱うテレビ通販会社で、「プライムショッピング」のブランド名で地上波の深夜帯やBS放送網でスポット的に通販番組 を放送している。昨年末に伊藤忠との提携関係に合意したことで、新たな商材としてアパレル衣料・雑貨などが加わるなど、同社の通販における取扱商品の幅が 広がるメリットがある。

 伊藤忠はプライムの発行済み株式の約15%を出資しているが、プライムは伊藤忠以外にも家電量販店のベスト電器とも提携関係を結んでいる。プライムはこ うした提携関係を活用しながら2008年6月期の売上高79億円を、2年後に200億円、3年後に300億円に急拡大していく方針だ。

 日本のテレビ通販事業は、住友商事グループの「ショップチャンネル」が昨年度の売上高で1000億円を超える最大手で、2番手として三井物産グループの 「QVC」が続く。日本の総合商社は近年、小売り分野の強化を図る中、小売業界の中でまだ成長市場とされる国内テレビ通販事業を強化しており、伊藤忠は 「2強体制」を築く住友商事、三井物産に追いつこうと“追撃”体制に入った。




eコマース・ネット通販の市場調査日月総合研究所

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