2008年11月12日水曜日

大衆薬のネット通販、規制撤回を

来年6月の改正薬事法の全面施行に向けて厚生労働省が一般用医薬品(大衆薬)のインターネットによる通信販売に対する規制を強化する方針を示している。


改正薬事法では、大衆薬を下記のようにリスクの大きさに応じて分類している。

・第一類大衆薬・・・H2ブロッカー含有薬、一部の毛髪用薬など
・第二類大衆薬・・・解熱鎮痛剤、主な風邪薬など
・第三類大衆薬・・・主な整腸薬、消化薬など

厚労省は、省令を改正してこのうち第一類、第二類のネット通販を事実上、禁止する方針を示している。



これに対し、政府の規制改革会議(議長=草刈隆郎・日本郵船会長)は、この方針の撤回を求める見解であり、11月11日、これを公表した。

草刈議長は、「ネット通販が危険であると証明できないなら、場合によっては大臣同士の話になることもあり得る」と記者会見で発言。

厚生労働省の一般用医薬品インターネット通信販売規制強化の方針の転換を迫る考えを示し、舛添要一厚生労働相と甘利明規制改革担当相による大臣折衝も視野にいれている。

甘利規制改革担当相は閣議後の記者会見では、「いろいろな調達手段という利便性を消費者が得られる視点が大切だ」と述べた。ただし、「大衆薬の安全性を担保することが前提になる」とも加えている。

規制改革会議の見解は、副作用被害などのデータが全く把握されないまま、これまで容認されてきたネット通販が禁止される点を問題視している。


ネット通販について「これまで何ら問題となっていない」と指摘し、実証的な根拠がないまま禁じれば、消費者の利便性や販売者の創意工夫の余地を奪うことになるとしている。

また、禁止する根拠となる薬事法上の明確な規定がないのに、厚生労働省が省令改正だけで規制しようとしている点も問題視、ネット通販と店頭販売の公平性を確保した新しいルール作りを求めている。

会見に同席した松井道夫委員(松井証券社長)は、「ニーズがあるからこそネット販売が行われてきた」と強調し、明確な根拠なしに規制強化の方針を示す厚労省を厳しく批判した。




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